地域連携推進会議とは?対象・構成員・開催回数・住居訪問・公表をわかりやすく解説
公開日:2026年9月25日 最終更新日:2026年9月25日
作成:Renkei 編集部(運営:Qalbra)
地域連携推進会議とは?
地域連携推進会議は、障害者グループホーム(共同生活援助)と障害者支援施設が、利用者や家族、地域の方などに構成員になってもらって開く会議です。令和7年4月から義務になりました。
厚生労働省の「地域連携推進会議の手引き」は、この会議を、地域の関係者を含む「外部の目」を事業所に入れるしくみとして説明しています。事業所は、会議を開くことに加えて、構成員が事業所を見学する機会も設けます。頻度は、どちらもおおむね1年に1回以上です(手引き p.1)。
手引きでは、会議の目的として次の4つが挙げられています(手引き p.2)。
- 利用者と地域との関係づくり
- 地域の人への、施設等や利用者に関する理解の促進
- 施設等やサービスの透明性・質の確保
- 利用者の権利擁護(利用者の権利や利益を守ること)
会議の構成員は、全員が「地域連携推進員」として事業所を訪問します。手引きは、この点が介護保険の運営推進会議と大きく異なる点だとしています(手引き p.2)。
令和6年度(令和6年4月から令和7年3月まで)は努力義務の期間で、令和7年4月1日から義務になりました。この規定は、国の指定基準(事業所の人員・設備・運営のルールを定めた省令)にあります。グループホームについてのこの規定は、都道府県が条例を定めるときの「従うべき基準」とされていて、事業所に直接かかるのは、都道府県(指定都市・中核市)の条例です。
対象になる事業所は?
対象は、共同生活援助(障害者グループホーム)と、障害者支援施設(施設入所支援)です。
共同生活援助のうち、日中サービス支援型と外部サービス利用型にも、同じ趣旨の規定があります。日中サービス支援型には、これとは別に、協議会などへ定期的に報告する規定もあります。
障害者支援施設については、指定障害者支援施設等の基準(省令)に同じ内容の規定があります。会議と、構成員による施設の見学を、それぞれおおむね年1回以上行い、記録を作って公表します。
これから指定を受けるグループホームは、指定申請の時点で、会議がすでに設置されているか、確実に設置できる見込みがあることが必要です(解釈通知。基準の読み方を示した国の通知です)。
外部評価を受けている場合の例外
サービスの質について外部の者による評価を受け、その評価の実施状況を公表している場合は、会議・見学・記録の公表の規定は適用されません。これに準ずる措置として都道府県知事が定めるものを講じている場合も同じです(指定基準 第210条の7第5項)。
グループホームの場合は、第三者評価などの実施状況(直近に実施した年月日、評価機関の名称、評価結果)を公表し、その記録を5年間保存します(解釈通知)。どのような措置が「これに準ずる措置」に当たるかは、指定権者(都道府県・市)に確認してください。
構成員は誰を、何人選ぶ?
手引きでは、5名程度が望ましいとされています。そのうち、利用者、利用者家族、地域の関係者は必ず選びます(手引き p.4)。
手引きが想定している構成員の区分は、次の6つです(手引き p.4〜5)。
| 区分 | 選ぶときの考え方 |
|---|---|
| 利用者 | 必ず選ぶ区分です。 |
| 利用者家族 | 必ず選ぶ区分です。多様な視点を入れるため、構成員になる利用者とは別の利用者の家族が望ましいとされています。家族の参加が難しい場合は、成年後見人、家族と関わりのある支援者、家族会の会員など、家族の代わりに意見を伝えられる立場の方が望ましいとされています。 |
| 地域の関係者 | 必ず選ぶ区分です。指定基準では「地域住民の代表者」と書かれています。 |
| 福祉に知見のある人 | 同じ法人や系列の法人に所属する人を選ぶことは、望ましくないとされています。 |
| 経営に知見のある人 | 想定されている区分のひとつです。 |
| 市町村の担当者 | 事業所がある市町村の担当者です(令和6年度報酬改定Q&A VOL.1 問49)。市町村内に施設等が多い場合など、出席が難しいこともあるため、可能な範囲での出席が望まれるとされています(同 問48)。 |
なお、報酬改定のQ&A(厚生労働省が示す質問と回答)では、利用者、利用者家族、地域住民の代表者について「必ず参画することが望ましい」と答えています(令和6年度報酬改定Q&A VOL.1 問48)。
秘密保持の約束と参加承諾書
構成員は、事業所を訪問したときに、利用者の個人情報に触れることがあります。そのため、構成員には、利用者の個人情報の秘密保持を約束してもらう必要があります(手引き p.4)。
手引きの「資料編」には、就任を頼むときの「参加依頼文」と、その別紙の「参加承諾書」の書式があります。承諾書には、会議への参加を承諾することと、会議で知り得た利用者の個人情報を外部に漏らさないことが書かれています。構成員から承諾を得たら、この承諾書を出してもらいます(手引き p.12、資料編 資料5)。
書き換えてそのまま使える参加依頼文と参加承諾書は、「参加依頼文・参加承諾書テンプレート(Word)」から無料でダウンロードできます。
構成員の任期は、事業所ごとに決めます。定期的に交代することが望ましいとされていますが、全員を一度に入れ替えるのではなく、段階的に入れ替えるなどの工夫が勧められています(手引き p.12)。
会議は年に何回開く?
事業所ごとに、おおむね年1回以上開きます。手引きでは、「最低でも施設等内での会議を年1回以上」実施することが必要とされています(手引き p.6)。
会議は、指定を受けた事業所の単位で設置します。開催も、事業所の単位で行うことが基本とされています(手引き p.6)。指定基準では、会議で事業の運営の状況を報告し、構成員から必要な要望や助言を聴くことが求められています。
開く場所は、施設等の中が望ましいとされています。ただ、一戸建てのグループホームなどで場所を確保できない場合は、グループホームの外の会議室や公民館を使ったり、オンラインで開いたりしてもよいとされています(手引き p.6、p.13)。
オンラインで開く場合も、全員がオンラインで参加するのではなく、実際に施設等を訪問する構成員がいることが望まれます(手引き p.6)。ウェブ会議を使うときは、厚生労働省の「福祉分野における個人情報保護に関するガイドライン」等を守ることとされています(解釈通知)。
会議は年に何度も開くものではないため、2時間程度の時間をとり、内容を充実させることが望まれています(手引き p.9)。日程は、構成員の都合を確かめたうえで、開催の1か月前までに決めるのが望ましいとされています。やむを得ず欠席する構成員には、事前に資料を送って、意見や要望を聞いておきます。年間計画を立てて準備を進めると効果的です(手引き p.12)。
住居への訪問は、何回必要?
グループホームは、共同生活住居ごとに年1回以上、構成員が訪問する機会を設けます。住居が3つあれば、訪問を受け入れる機会も年3回以上になります。
共同生活住居は、グループホームの利用者が暮らす一つひとつの住まいのことです。解釈通知は、すべての住居に外部の目を入れて透明性を確保する必要があるとして、住居(サテライト型住居を含みます)ごとに、おおむね年1回以上の見学の機会を設けることを求めています。
手引きの例では、住居が2か所ある事業所は、会議を年1回以上開き、訪問を年2回(2か所)以上受け入れる必要があります(手引き p.6)。
構成員(地域連携推進員)の側に求められているのは、それぞれ年1回以上、いずれかの住居を訪問することです(手引き p.7)。
訪問日は、会議の開催日以外の日に、推進員と事業所が調整して決めます。同じ日に複数の人が訪問してもよいのですが、できるだけ訪問日を分散させ、利用者や職員の負担が大きくならないように配慮します(手引き p.11)。居室を見学するときは、その居室の利用者の了承が必要です(解釈通知)。
構成員のうち利用者については、重い障害があるなどで訪問が難しい場合、会議への参加だけでも差し支えないとされています(手引き p.11)。また、住居が数十か所ある場合や、推進員の日程を確保しにくい場合などは、事業所と推進員の調整で、訪問回数などを柔軟に決めてもよいとされています(手引き p.7)。
訪問の意義や見るポイントは、資料編の「地域連携推進員の手引き」(資料4)にまとめられています。事業所は、これを推進員に渡します。この中の「訪問の際の視点」は、事業所のセルフチェックにも使えます(手引き p.11)。
障害者支援施設の場合は、構成員が施設を見学する機会を、おおむね年1回以上設けます。
会議では何を話し合う?
手引きの議事次第の例では、「施設等・地域の連携」「施設等やサービスの透明性・質の確保」「利用者の権利擁護」の3つのテーマを、それぞれ40分ずつ話し合います(手引き p.8)。
| テーマ(時間) | 議題の例 |
|---|---|
| 施設等・地域の連携(40分) | 障害についてのレクチャー、近隣からの苦情などの共有、地域行事の案内 |
| 施設等やサービスの透明性・質の確保(40分) | 利用者の日常生活の様子、経営状況の報告、BCP(業務継続計画)の策定状況 |
| 利用者の権利擁護(40分) | 虐待・事故・ヒヤリハットの報告、支援者の様子、利用者の意向アンケートの結果 |
議題は、会議の目的を達成するためのものにします。施設等からの一方的な報告にならないよう、構成員と双方向で意見を交わせる議題が望ましいとされています。この会議は、サービスや利用者の暮らしに点数を付けて評価する場ではありません(手引き p.8)。
たとえば施設等からは、利用者の日常の様子、障害について理解を深めてもらうための説明、職員の支援の様子、運営状況(収支など)、行事の案内などを報告します。地域の関係者からは、地域の事情や行事の情報を共有してもらい、参加を呼びかけてもらいます。こうしたやりとりが、お互いの理解につながります(手引き p.8)。
虐待や事故、ヒヤリハット(事故には至らなかったものの、ひやりとした出来事)の事例を共有するときは、共有する意義を説明して、構成員の理解を得るようにします。会議に出席する利用者が関係する事例は、事前に本人の了承を得て、資料や説明で個人が特定されないように配慮します(手引き p.9)。
グループホームについては、厚生労働省の「共同生活援助における運営や支援に関するガイドライン」が、事業所の自己評価を会議でも活用し、構成員から客観的な助言を受けて支援の改善につなげる方法を挙げています。
個人情報はどう扱う?
利用者と家族の意向を確かめ、構成員には秘密保持を約束してもらい、資料は個人が特定されないように作ります(手引き p.10)。
事業所は、会議を開くにあたって、すべての利用者と家族に、会議や訪問を通じて地域の方と顔を合わせ、関係をつくることについて、意向を確かめます(手引き p.10)。
構成員には、就任のときに、利用者の個人情報の秘密保持を約束してもらいます。約束の文言は、参加承諾書に入っています(手引き p.10)。
会議の資料には、個人名や、個人が特定される情報を書かないようにします。利用者や家族の同意を得て個人情報を扱う場合でも、会議が終わったら、その資料を回収するなどの配慮をします(手引き p.10)。
議事録を作るときも、個人が特定される部分は削除します(手引き p.14)。事例を共有するときの本人の了承や、居室を見学するときの了承は、上の「会議では何を話し合う?」と「住居への訪問は、何回必要?」でふれたとおりです。
議事録と公表はどうする?
会議の後、速やかに議事録を作り、個人が特定される部分を削除して、参加した構成員に内容を確認してもらいます。そのうえで、ホームページや広報誌、事業所内の掲示などで公表します(手引き p.14)。
議事録には、会議で事業所が行った報告と、構成員から受けた要望や助言を書きます。詳しい議事録ではなく、会議の結果の概要をまとめたものでもよいとされています(手引き p.14)。書く項目や、個人が特定されないようにする書き換えの例は、「地域連携推進会議の議事録の書き方」で記入例とともに説明しています。
公表は、多くの方が見られるように、広く行うことが求められています。報酬改定のQ&Aでも、ホームページや広報誌への掲載、事業所内への掲示などが挙げられています(令和6年度報酬改定Q&A VOL.3 問12)。手引きは、将来は議事録を「障害福祉サービス等情報検索」に載せることも考えられる、としています。いま載せることが求められているわけではありません(手引き p.14)。方法ごとの向き不向きや、ホームページがない事業所の公表のしかたは、「議事録の公表方法(ホームページがない事業所の場合)」で説明しています。
指定基準は、会議での報告・要望・助言などの記録を作り、その記録を公表することを定めています(指定基準 第210条の7第4項)。グループホームの場合、この記録は5年間保存します(解釈通知)。
準備から公表までの流れは?
手引きでは、構成員の選定から議事録の公表まで、9つの段階が示されています(手引き p.12)。
- 構成員の選定:利用者、利用者家族、地域の関係者を含めて、5名程度を選びます。
- 構成員への就任依頼:資料3「(構成員向け説明資料)地域連携推進会議の概要」と資料5の参加依頼文を使って頼み、承諾を得たら参加承諾書を出してもらいます。
- 会議日程調整:構成員の都合を確かめ、開催の1か月前までに決めるのが望ましいとされています。
- 会議開催場所確保:施設等の中が望ましく、難しい場合は公民館や外部の会議室、オンラインも使えます。
- 会議の議題検討:構成員と双方向で意見を交わせる議題にします。
- 会議資料作成:個人名や、個人が特定される情報を書かないようにします。
- 会議開催:2時間程度の時間をとることが望まれています。
- 議事録作成:会議の後、速やかに作り、参加した構成員に確認してもらいます。
- 議事録公表:ホームページや広報誌、事業所内の掲示など、多くの方が見られる方法で公表します。
グループホームでは、この流れとは別に、構成員による住居への訪問も、年間の予定に組み込んでおきます。
Renkei でできること
Renkei では、会議と住居ごとの訪問が今年度どこまで済んだかを、ひとつの画面で確かめられます。参加依頼文と参加承諾書の作成、メモや文字起こしからの議事録の下書き、公表用のページの作成にも対応しています。
出典・参考資料
- 厚生労働省「地域連携推進会議の手引き」(p.1〜p.14)
- 厚生労働省「地域連携推進会議の手引き(別冊)資料編」(資料5)
- 指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)(第210条の7)
- 指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第172号)(第24条の2)
- 指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について(解釈通知)【新旧対照表】(第十五の3の(5) p.229〜230)
- 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1(問48・問49 p.18)
- 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.3(問12 p.5)
- 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(p.44〜45)
- 厚生労働省「共同生活援助における運営や支援に関するガイドライン(第1版)」(p.40〜42)
制度に関する記載は、厚生労働省の資料等をもとに整理したものです。実際の運用や基準を満たしているかどうかの最終的な判断は、指定権者(都道府県・市)の指導に従ってください。